ワインと合わせるコース仕立ての8種のクッキーたち(商品説明 ”前編” )

VINOKAという、ブランド名の由来の説明になります。こちらも、お読みいただけると幸いです!
VINOKA Petit Four Sec ~前編~
レモン(アミューズ)



① キャッチコピーは、
「一口のレモンが、コースの幕を開ける合図──爽やかな酸味とともに。」
② 役割(コース上の位置づけとして)
コース料理でいう“アミューズ”。
始まりのひと口は、舌を目覚めさせ、次の世界への期待をふくらませます。
③ なぜレモンなのか?
最初と最後を柑橘でまとめたい、と考えたのがきっかけでした。
レモンの軽やかな酸味は、
食欲を引き出し、口の中をリセットしてくれる。
そして、最後のデザートで再び柑橘が登場することで、物語としての一貫性が生まれます。
④ 開発秘話(裏話)
「塩味で始めるか?柑橘で始めるか?」──。
迷った末に、
テスト販売を重ねて「軽やかな酸味の方がワインに寄り添いやすい」と確信しました。
そこで、生地にはレモンピールを練り込み、
自然な酸味とほろ苦さを重ねました。
また、ホワイトチョコレートを加えることで
あとに続くレモンの酸味とハーブの清涼感を主張させ過ぎないよう和らげてくれます。
さらに、
レモングラスとセージを組み合わせることで、爽やかさとほのかな苦みが加わり、
まるでハーブティーのように心落ち着く余韻を演出しています。
⑤ ワインとの相性
スパークリングや軽やかな白ワインと好相性。
きりっとした泡や酸がレモンの爽やかさをさらに引き立て、
次の一口を誘います。
山葵と白味噌(前菜)



① キャッチコピーは、
「和のまろやかさに、清涼な一閃。」
② 役割(コース上の位置づけとして)
アミューズのレモンに続く“前菜”。
和のニュアンスを取り入れ、
次に登場する桜エビへとつなぐ役割を担います。
③ なぜワサビなのか?
スーパーや百貨店でよく見かける
“わさび味スナック”の人気を見ても分かるように、ワサビには確かな需要があります。
だからこそ、
和寄りのコースを描く前菜にふさわしい食材だと考えました。
④ 白味噌を加えた理由
ただワサビを効かせるだけでは
辛味が強すぎて、
次の桜エビへとつなぐ流れを妨げてしまいます。
そこで、
白味噌のまろやかな甘みを土台に据え、
ワサビをやさしく包み込むことで全体の調和を図りました。
⑤ スパイスで深みをプラス
さらに焙煎クミンの香ばしさで奥行きを加え、白胡椒を最後に効かせることでピリッとした余韻を残しています。
“和のまろやかさに、ひとすじの清涼感”──そんなイメージを込めました。
⑥ おすすめペアリング
◼︎ ネッビオーロやバルベーラ(イタリア赤)
◼︎ 熟成純米酒・樽酒(常温〜ぬる燗)
赤ワインの酸やタンニンは
白味噌の旨みと重なり、ワサビの清涼感が香りを引き締めます。
日本酒と合わせれば、発酵由来のまろやかさが心地よく響き合います。
桜エビと山椒(魚料理)



① キャッチコピー
「エビ嫌いの私が作った、桜エビのクッキー。」
② 役割(コース上の位置づけとして)
前菜に続いて登場する“魚料理”にあたる一皿。
海と山の恵みをひと口に凝縮し、
ワインの世界をさらに奥行きあるものにしていきます。
③ なぜ桜エビなのか?
実は、私自身エビが大の苦手で
甲殻類全般を避けてきた人間です。
けれど、
世の中を見渡すと
エビを使った料理は本当に多いです。
フレンチではオマールエビや魚介スープ、中華ではエビチリや点心。
ファーストフードでもエビバーガー。
日本食だと、天ぷらや寿司ネタ、エビフライなど数多くあります。
スーパーに行けば、
かっぱえびせんやえびせんべい、
桜エビを使ったスナックまで幅広く並んでいます。
つまり「私みたいに、エビ嫌いは少数派であり、エビ需要は確実にある」と思っていたからです。
だから、私が苦手食材だからだという理由で商品開発しないのは勿体無いと思ったのが1番の理由です。
④ 開発秘話(裏話)
ただ、ここ数十年エビを食べた記憶がなく…
「エビ、本来の美味しい基準」を持っていなかった私は、まずリサーチからスタート。
Amazonや楽天でレビューの多い商品を取り寄せ、Google検索で上位に出てくる会社さま、スーパーや百貨店で売られているエビ系おつまみを食べ比べながら研究を重ねました。
はじめの試作では、桜エビのエグ味が強すぎたり、香ばしさが前に出すぎてバランスが崩れたりと失敗の連続。
基本は、市場に出ているエビ系おつまみの味に寄せるところからはじめ、少しずつスパイスを合わせながらVINOKAらしい商品にブラッシュアップさせました。
そんな中で「どうすればワインに寄り添えるか」を考えて、粉茶のほろ苦さや真昆布の旨味を重ね、白味噌で全体をまとめることで丸みを出しました。
そして最後に山椒を効かせることで、ひと口の後にすっと清涼感が抜ける余韻を加えました。
⑤ 味わいのイメージ
「焼きたての香ばしい桜エビです。」
太伯ごま油に桜エビを加えて、弱火でエビの風味を油にうつして白味噌と合わせました。
桜エビは、オーブンで低音乾燥させて香ばしさを追加。
桜エビとエビの香りを移した白味噌に
そこに粉茶のほろ苦さと
真昆布の旨味が寄り添い、
白味噌のまろやかさが全体をまとめ上げる。
最後に
山椒の爽やかな刺激が走り抜け、まるで“海と山が交差する”ような複雑な余韻を描きます。
⑥ おすすめペアリング
◼︎ オレンジワイン(果実味とタンニンが桜エビの香ばしさや山椒の清涼感と響き合う)
◼︎ 熟成系日本酒(旨味のレイヤーが昆布や味噌と心地よく重なる)
七宝のタマネギ(野菜料理)



① キャッチコピー
「タマネギ本来の甘みを、ぎゅっと詰め込みました」
② 役割(コース上の位置づけとして)
魚料理に続く“野菜料理”の一皿。
海の香り(桜エビ)と、次の肉料理(ベーコンポテト)をつなぐ中盤の役割を担います。
③ なぜ七宝のタマネギなのか
使用しているのは淡路島産の新玉ねぎ「七宝」。
わずか数週間しか収穫できない希少な品種で、
「フルーツタマネギ」「スイーツタマネギ」とも呼ばれるほど甘みが強く、みずみずしいのが特徴です。
市場にほとんど出回らないこの食材を以前、柏原商工会議所(大阪)で開催された創業セミナーで出会ったご縁から去年に引き続き購入させて頂きました。
④ 開発秘話(裏話)
通常のタマネギをベースに使っているサフランクッキーは、しっかりと飴色になるまで炒めて水分を飛ばしています。
しかし「七宝」は甘みと瑞々しさが特徴。
炒めすぎては他のタマネギと変わらなくなってしまう懸念がありました。
そこで、炒めは薄茶色で止め、
別で薄くスライスしたタマネギをオーブンへ。
一晩乾燥させたオニオンチップを粉末化。
ペースト状のタマネギと合わせ、自家製のオニオンパウダーで風味を強化しました。
アクセントにはエダムチーズとナツメグを加え、仕上げに松の実とほんの少しの一味唐辛子を。
甘み・香ばしさ・食感・ピリッとした余韻がやみつきになる、唯一無二のタマネギクッキーになりました。
⑤ 味わいのイメージ
ほろっとほどける生地から、七宝ならではのじんわりと広がる甘み。
松の実の香ばしい食感と唐辛子のアクセントが重なり、食べ進めるほどに奥行きが増していきます。
⑥ おすすめペアリング
◼︎ 白ワイン(タマネギの甘みを引き立てる)
◼︎ ロゼ(野菜の風味と酸が心地よく響き合う)
◼︎ 軽やかなオレンジワイン(ほろ苦さや香ばしさを包み込む)