ワインと合わせるコース仕立て8種のクッキーたち(商品説明 “後編” )


まだ、前編をお読みでない方は、こちらもお読みください!

VINOKA Petit Four Sec ~後編~

カリカリ、ベーコンポテト(肉料理)

① キャッチコピーは、
「カリカリ、じゅわり──肉汁とハーブがほどけるポテトの一粒。」

② 役割(コース上の位置づけ)
野菜料理に続く“肉料理”の一皿。
力強さと旨みでコースの中心を支え、次のトリュフへとつなぐ存在です。

③ なぜベーコンポテトなのか?
ジャガイモは誰もが親しみのある食材。
ベーコンと合わせることで、肉の旨味と香ばしさを加え、ワインやビールにも寄り添える一皿にしたいと考えました。

普段から馴染みのあるスナック菓子──ポテトチップス「コンソメパンチ」を連想させ、より旨みたっぷりに昇華させたクッキーです。

④ 開発秘話(裏話)
今回のポイントは “カリカリ食感と肉汁感の共存” 。

炒めたベーコンをオーブンでしっかり乾燥させることで、
水分を飛ばしながらも噛みしめるたびに肉汁がじゅわっと広がる設計にしました。

さらに、じゃがいものピュレに野菜の甘みを凝縮したブイヨンペーストを加え、まろやかで奥行きのある味わいに。
そして、生地全体にはタイムやローズマリー、セージなど複数のハーブを練り込みました。

ベーコンの旨味と絡み合いながら、
食べ進めるほどに爽やかで立体的な香りが広がり、
ただのスナックとは違う“料理的な一粒”へと仕上がっています。

仕上げにはカリカリのベーコンとほんのりタイムの香り。

さらに大阪ならではの“油かす”をふりかけ、
燻香・旨味・香ばしさが三位一体となる独自のクッキーが完成しました。
(油かすは牛の小腸をじっくり揚げて旨みを凝縮した大阪独自の食材で、郷土性を感じてもらえる一工夫になっています。)


⑤ 味わいのイメージ
ほろりとほどけるじゃがいものピュレ。
そこにブイヨンの旨味が重なり、カリカリのベーコンがアクセント。
ハーブの爽やかさが全体をまとめ、油かすの燻香が奥行きを添え、食べ進めるほどにクセになる余韻が広がります。

⑥ おすすめペアリング
■ クラフトビール(肉の旨味や燻香に寄り添う)
■ 白ワイン(シャルドネなど樽香を持つリッチなタイプが、ポテトとベーコンのまろやかさを引き立てる)

黒トリュフクッキー(香りの皿)

① キャッチコピーは、
「じゃがいもの優しさに、黒トリュフの気高さを重ねて。」

② 役割(コース上の位置づけ)
肉料理の後に登場する“香りの皿”。
力強さから一転、香りで魅せる一粒としてコースの流れに奥行きを加えます。

③ なぜ黒トリュフなのか?
トリュフは“香りの王様”と呼ばれる存在。

ワインの世界とも相性が深く、
料理の中で「香りの橋渡し」を担ってきました。

だからこそ、クッキーでもトリュフを使うことで
「焼き菓子=甘い」のイメージを覆し、香りの余韻で楽しむ一皿を表現したかったのです。

④ 開発秘話(裏話)
土っぽさが強すぎると重たくなるため、試作では分量や組み合わせに苦戦しました。

最終的に、じゃがいものピュレをベースにすることで、
トリュフの香りを柔らかく受け止める土台を作りました。

仕込み直前にすりおろした黒トリュフを練り込み、
黒トリュフオイルで香りを重ね、
仕上げにトリュフ塩と白胡椒をひと振り。

シンプルながらも、香りのレイヤーが何層にも重なるよう設計しています。

⑤ 味わいのイメージ
ほろりと広がるじゃがいものやさしさの中に、
黒トリュフの気品ある香りが立ち上がる。

ひと口ごとにふわっと漂う余韻は、
まるで高級レストランで料理をいただいているような特別な時間を演出します。

⑥ おすすめペアリング
■ ロゼスパークリングワイン(泡と果実味が香りの華やかさを引き立てる)
■ ランブルスコ(微発泡赤。軽やかな甘みと酸がトリュフの香りを柔らかく包み込む)

ゴルゴンゾーラと無花果(熟成の皿)

① キャッチコピーは、
「塩気と甘みが奏でる、ワインのための熟成菓子。」

② 役割(コース上の位置づけ)
“香りの皿”の黒トリュフに続き、登場するのは“熟成の皿”。

ワインの世界で欠かせない「チーズと果実」の組み合わせを、クッキーとして表現しました。

コースの流れの中でも、深みと甘みを兼ね備えたポイントとなる一皿です。

③ なぜゴルゴンゾーラと無花果なのか?
チーズと果実は、古くからワインとの黄金コンビ。

特にゴルゴンゾーラのような青カビチーズは、
塩気と旨みの層が厚く、
甘みをもつ果実と合わせることで劇的な調和を生みます。

無花果を選んだのは、
そのねっとりとした食感と濃厚な甘みが赤ワインとも響き合い、熟成の奥行きを描けるからです。

④ 開発秘話(裏話)
チーズの塩気が強すぎると全体が重くなり、果実味が埋もれてしまう。

そこで、
無花果は赤ワインでじっくり漬け込み、
芳醇な香りとまろやかさを引き出しました。

さらに、ハチミツパウダーを加えることで自然な甘さと柔らかさを添え、
ゴルゴンゾーラと果実が口の中で一体となるよう調整しています。

⑤ 味わいのイメージ
ゴルゴンゾーラの塩気とコク。

そこに赤ワインで漬け込んだ無花果の甘みと芳醇な香りが重なり、ひと粒の中で深みと艶やかさが溶け合う。

青カビ特有の余韻に、
果実と蜂蜜のまろやかさが寄り添い、
ワインとの相乗効果を最大化します。

⑥ おすすめペアリング
■ セゾンビール(Farmhouse Ale):

酵母由来のフルーティさとドライ感が、チーズの塩気と果実の甘みをつなげる。


■ 軽めの赤ワイン(ピノ・ノワール):
酸味と繊細な果実味が、無花果の甘みとゴルゴンゾーラの旨みを優しく引き立てる。

オレンジとカモミール(デザート)

① キャッチコピーは、
「太陽の果実と、やさしい花が奏でるラストシーン。」

② 役割(コース上の位置づけ)
8皿目は“デザート”。

レモンで始まった物語を、再び柑橘で締めくくることで一貫性を持たせています。
爽やかさとやわらかさが重なることで、コース全体を心地よく終わらせる一皿です。

③ なぜオレンジとカモミールなのか?
柑橘は始まりにも終わりにもふさわしい素材。

オレンジの陽だまりのような明るさと、
カモミールのやさしい花の甘さを合わせることで、
午後のティータイムを思わせる穏やかな余韻を表現しました。

④ 味わいのイメージ
太陽を浴びたオレンジの果皮がはじけるように香り、
そこへカモミールのやわらかな甘さが溶け込みます。

柑橘の爽やかさと、花の蜜を思わせる余韻が重なり、
ひと粒で“静かな締めくくり”を描くデザートクッキーです。

⑤ おすすめペアリング
◼︎ ネッビオーロやバルベーラ(イタリア赤。オレンジの果実感に寄り添いながら余韻を深める)
◼︎ 熟成純米酒・樽酒(常温〜ぬる燗。花の甘みや柑橘と重なり、和の余韻を演出)

⑥ 締めの一言
「デザートは“オレンジとカモミール”。太陽と花が重なり合うように、穏やかなラストシーンを──」

裏話:VINOKAクッキー缶の誕生秘話

実は、最初は透明感のあるプラスチックケースで考えていたVINOKAのクッキー缶(右画像)。

中身を見せられるデザインに惹かれていましたが、
調べるうちに食品用としては使えないと分かり、急遽クラフト箱に切り替えることになりました。

その結果、収まりの関係で“7種構成”から“8種構成”に。
※現在、販売している商品(左画像)になります。
→2025.9.30に投稿しており、対面販売のみで販売しております。

むしろ前菜からデザートまでをイメージした“フルコース感”が際立ち、
ブランドの世界観にぴったりと合う形になりました。

試行錯誤の連続ですが、
思わぬ方向に進化していくのもブランドづくりの面白さ。
VINOKAが少しずつ形になっていく過程も、一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです!!